姿勢と肩こり

医療法人社団 こころとからだの元氣プラザ
巡回検診部 内科医 伊澤和光
(元氣プラザだより:2017年2月号)

肩こりにはさまざまな原因や誘因がありますが、その一つに姿勢があります。 デスクワークでパソコンを覗き込む作業が続く毎日でしょうから、うなじや肩甲骨部の筋肉の負担も大変です。ストレートネックと言われる状態も起こりかねません。そこで肩こりと姿勢についてお話しします。

まず、頭とそれを支える首の骨(頸椎)との位置関係を側面から見ますと、頸椎は頭部の前後径の中央にあるのではなく、図1のように後ろ3/4辺りに位置しています。

ですから、もし周囲に支える筋肉がなかったとしたら、重たい頭は前方へと倒れこんでしまいます。この前方への倒れこみを防いでくれているのが頸椎の後面にある僧帽筋(図2)を始めとする筋群です。この筋群がしっかりと後頭部を下方に引っ張ってくれているおかげで、私たちの頭は正面を向くことができるというわけです。

ところが、私たちは日常生活の中で首を後ろへ反らす姿勢というのはまずありません。書類やパソコンを見るなど下を向いていることがほとんどではありませんか?すると頸椎の前方凸のカーブは失われ、図3のように直線状となります。これがストレートネックといわれる状態です。そして、下方を向き続ければ、頭を支え続けている僧帽筋を始めとする筋群も疲れてくるのは当然です。

僧帽筋群など背中にある筋群は手指の筋群のように素早く細かく動かすことはできませんが、その分、頭を支えるといったような長時間作業には対応できるようになってはいるのです。それでも寝ている間以外は頭を正面に向けさせようと働き続けているのですから疲れるのは当たり前です。このように僧帽筋群が疲れた状態になった時、私たちは首こりや肩こりを感ずるのです。

ですから、重たい頭が頸椎の上にバランスよく乗り、僧帽筋群への負担が少ない姿勢をとればよいことになります。僧帽筋群への負担が軽ければ軽いほど、首こりや肩こりは軽くてすむということになります。

          

ではその姿勢とはどのようなものでしょう。それは図4のように「横から見て耳の穴から下ろした垂線が肩の中央あたりにくる」くらいとされています。

ご自分でこの姿勢がとれているか否かの簡単な目安は図5のように、壁を背にして立ってみて下さい。踵、お尻、肩甲骨部そして後頭部が同程度に壁についていればOKです。

歩くとき、通勤電車の中で立っているとき、仕事中でも人に話しかけられたときなど、少しの時間でもこの姿勢を心掛けてみて下さい。仕事中はどうしてもパソコンなどを覗き込み前屈姿勢となりますから、15分~20分くらい経ったら、意識的に10秒で構いませんので、パソコンから目を離し、姿勢を整えてからまた机に向かうということを心掛けて下さい。こういったことを習慣づけるようにしてみて下さい。その分確実に僧帽筋群にかかる負担は少なくなるのですから。

次は体操です。書店の棚には「肩こり体操」といった本はたくさんあります。 これなら続けられる、といったご自分に合いそうなものを見つけて続けてください。

若い女性には最高血圧が100に届かない低血圧の方が多いのですが、血圧が低いということは血管の中を血液がゆっくり流れているということですから、疲労回復に時間がかかります。睡眠不足に注意が必要ですし、それに加えて自分は冷え症であるという方は、作られる熱量が少ないわけですから、熱量生産工場である筋肉をこまめに動かすことが大切なのです。

 

ご精読ありがとうございました!

 

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