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健康コラム

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渡航前に知っておきたい感染症対策~ワクチンで予防できる感染症とは

医療法人社団 こころとからだの元氣プラザ

統括所長 中村 哲也 監修

(元氣プラザだより:2026年7月号)

楽しい夏を過ごすために、健康管理には気を付けたいものです。
今回は海外旅行を予定されている方に知っておいてほしい、さまざまな感染症やその予防法についてお伝えします。

気を付けたいのは「食べ物」と「水」

海外旅行でまず気を付けたいのが、食中毒です。食事は海外旅行における最大の楽しみの一つですが、油断すると長期にわたり体調を崩すことになるため注意が必要です。
暑い地域や衛生状態の良くない地域では、以下の3つのポイントが守られていないことが多くあります。

食中毒の原因になるのが、カンピロバクター菌、サルモネラ菌、ウエルシュ菌、腸管出血性大腸菌、腸炎ビブリオ菌、ぶどう球菌などの病原性の細菌です。これ以外にも、A型肝炎やE型肝炎、コレラ、赤痢やアメーバ赤痢、腸チフス・パラチフスなどがあり、細菌だけではなく、ウイルスや寄生虫にも注意が必要です。


 
海外の食事では、以下の点に十分注意しましょう。


 水 
生水は飲まない。5分程度沸騰させた水か、信頼できるメーカーが製造する缶・ビン・ペットボトルに入ったものを飲みましょう。

 氷 
衛生状態の良い国で、信頼できる飲食店以外では、氷の入ったジュースやお酒、かき氷は避けましょう。

 肉類、魚介類、野菜、乳製品 
肉類、魚介類、野菜は十分に火が通ったものを食べるようにし、生卵、火の通っていない乳・卵製品は避けましょう。

 果物 
比較的安全に思えるかもしれませんが、果物を洗うのは水です。衛生状態が悪い水しかないような地域では、清潔な紙や布で果物の外側を拭き、皮をむいてすぐに食べましょう。


2025年の厚生労働省の食中毒統計によれば、わが国では特定の細菌による食中毒患者数は4,000人以上にのぼっています。安全な水質や食品の基準が整備されている日本でもこのような状況であるため、海外渡航時にはさらに注意が必要といえます。

予防できる食中毒、A型肝炎と腸チフス

海外の中でも、南アジア、東南アジア、アフリカや中南米などの熱帯・亜熱帯地域で衛生状態が悪い地域によくみられる感染症に、A型肝炎や腸チフスがあります。

A型肝炎は、ウイルス性の感染症です。汚染された水や氷、加熱が不十分な食品から感染します。発熱や全身の倦怠感、食欲不振などの症状が現れ、その後黄疸(皮膚や白目が黄色くなる症状)や褐色尿がみられることもあります。感染して発症まで、潜伏期間が約2~7週間あるため、帰国後に気付くケースも少なくありません。成人では症状が重くなることもあり、注意が必要です。

一方、腸チフスはサルモネラ属の細菌です。日本人感染者のほとんどが海外で感染したケースとされています。高熱、頭痛、全身倦怠感がみられ、重症化すると腸からの出血や、腸に穴があくことがあります。

A型肝炎、腸チフスはいずれもワクチンで予防できる感染症のため、流行地域へ渡航する前にワクチンの接種を検討しましょう。あわせて、飲料水や生ものの摂取には十分注意することも大切です。

蚊を媒介する感染症にもご注意を

暑い地域においては、蚊にも注意が必要です。蚊に刺されることで、日本脳炎、デング熱、ウエストナイル熱、ジカウイルス感染症、チクングニア熱、黄熱、マラリアなどの感染症にかかる危険があります。
日本脳炎と黄熱には国内でワクチン接種が可能です。マラリアは医師の処方による内服薬での予防が可能ですので、海外旅行前からの予防内服が推奨されます。
しかし、それ以外の感染症に対して渡航前にワクチンを接種するのは難しく、予防策は「蚊に刺されないこと」が最重要です。肌の露出を避けた服装を心がけ、虫よけ剤(忌避剤)を使用し、こまめに塗りなおすことで予防しましょう。


日ごろの体調管理で楽しい夏を

さまざまな感染症のリスクがある国に行く場合は、渡航前のワクチン接種をおすすめします。当法人の外来「トラベルクリニック」では、厚生労働省が推奨する海外渡航者向けのワクチン接種が可能ですので、お気軽にご相談ください。同行者全員での接種を推奨し、十分な効果を得るためにも、早めの接種がよいでしょう。
また、ご自身の病気に対する管理や注意すべき生活習慣、日常の投薬管理なども、事前に医師からの説明を受けることで、海外旅行のリスクを減らすことができます。慢性疾患のある方は、旅行による疲労やストレスも重症化リスクとなりますので、事前にしっかりと医師に相談しておきましょう。

万全の準備を整え、夏の海外旅行を存分に楽しみましょう!

こころとからだの元氣プラザ「トラベルクリニック」では海外渡航者向けの各種ワクチンの取扱いがございます。
 
関連コラム:
食中毒から身を守ろう~症状から予防まで

参考
厚生労働省:食中毒統計資料

ご精読ありがとうございました!

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