サイト内キーワード検索

健康コラム

キービジュアル画像

気温も湿度も想定外!備えて守る、これからの“熱中症”対策

医療法人社団 こころとからだの元氣プラザ

医師 伊藤 秀幸 監修

(元氣プラザだより:2025年8月号)


日中の最高気温が35℃を超える猛暑日および最低気温25℃以上の熱帯夜の日数は、年々増加傾向にあります。消防庁によると、2024年度は5月にはすでに2,799件、もっとも多かった7月で43,195件、年間(5月~9月)では97,578件もの熱中症による救急搬送が行われました。
暑さのピークを迎えているこの時期こそ、自身や職場で知っておきたい熱中症対策をご紹介します。

熱中症とは

私たちは体内で熱を作り出していますが、体温調節機能によって異常な高体温にならないように調節されています。熱中症とは、高温多湿な環境下で、体内の水分やナトリウム(塩分)などのバランスが崩れ、体温調節ができなくなり、その結果体温が異常に高くなる状態です。
 
体温調節のメカニズム】
体温があがると、人の体は自律神経の働きにより末梢血管が拡張し、血液を皮膚に集め外気へと放熱することで温度を下げます。また汗をかくことで、その蒸発に伴う気化熱の作用により体温を下げようとします。大量の発汗は体外に水分やナトリウム(塩分)などが排出され、脱水傾向となります。過度な脱水になると汗をかけなくなり、そのうえ湿度が高いと汗の蒸発が妨げられるため、気化熱による体温を下げることが難しくなります。こうして体温上昇が進むと、さまざまな臓器症状があらわれます。

【症状】
熱中症の症状は重症度によって3つに分けられています。

熱中症を起こしている人への対処法


自力での水分の補給が困難、意識がないなどの場合は重症が疑われますので、躊躇せずに救急車を呼び指示を仰ぎましょう。

熱中症への社会的な対策

熱中症は誰にでも起こり得ますが、正しい知識と事前の対策で多くを防げると言われています。ここでは近年の熱中症対策として、3点紹介します。
 
まず意識したいのが「熱中症警戒アラート」です。危険な暑さが予測される地域へ向けて警戒を呼びかけるもので、気温・湿度・日射をもとに計算した「暑さ指数(WBGT)」が基準値に達した際に発表されます。ニュースや天気予報、環境省のホームページで確認できます。アラートが出ている日は外出を避けること、やむを得ない外出の際はこまめに日陰や冷房の効いた場所で休憩し、水分・塩分の補給をすることが推奨されます。

昨年の気候変動適応法の改正では、「指定暑熱避難施設(通称:クーリングシェルター)」と呼ばれるアラート発令時に危険な暑さから避難できる施設(主に役所や公共施設など)が一般開放されるなど、各自治体での熱中症対策も整備が進んでいます。

本年6月1日に施行された「労働安全衛生規則改正」では、製造業や建設現場など日常的に暑熱環境下での作業を要する職場を対象に対策を義務付けました。事業者が対策を怠った場合には罰則が科されます。職場での熱中症により最近2年連続で30名を超える死亡事故があり、死亡に至る割合が他の労働災害の5倍以上あることがわかっています。ほとんどが初期症状の放置や対応の遅れであることから、熱中症を重篤化させない(死亡に至らせない)対策が必要なのです。
 
詳しくは、厚生労働省が公表している情報をご確認ください。
厚生労働省:「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」

最後に

日ごろから食事や運動、睡眠などの健康的な生活習慣を心がけることが熱中症になりにくい体を作ることにつながりますが、この記録的な猛暑ではそれだけでは対処できない水準となりつつあります。さまざまな施策などを活用しながら、職場でも自分自身でも意識して対策していくことが重要です。

施設のご案内
住所
〒101-0051
東京都千代田区神田神保町1丁目105番地
神保町三井ビルディング1階・2階
最寄駅
都営三田線・新宿線・東京メトロ半蔵門線
神保町駅A9出口 徒歩1分
東京メトロ東西線
竹橋駅3b出口 徒歩5分
Pマーク