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健康コラム

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「イビキ」かいていませんか?

医療法人社団 こころとからだの元氣プラザ

呼吸器内科医 伊藤 秀幸

(元氣プラザだより:2024年3月号)

春の暖かさが心地よい季節になりました。「春眠暁を覚えず」といいますが「良い眠り」ができていますか。日本人は世界でも有数の「短時間睡眠」といわれています。睡眠は「時間×質」ですが、時間が短いのであれば質を高めて「良い眠り」を確保しましょう。今回は眠りの質に関わる話題として「睡眠時無呼吸症候群:SAS(Sleep Apnea Syndrome)」をとりあげます。イビキ=無呼吸ではありませんが、イビキは無呼吸と関連するわかりやすいサインです。

SASってどういう病気?

睡眠中に一時的な無呼吸状態が繰り返し起こる病気です。無呼吸とは10秒以上呼吸をしない状態をいい、睡眠中1時間に5回以上この無呼吸が見られる場合はSASと診断されます。呼吸をする空気の通り道(上気道)が狭くなることによって生じる閉塞性無呼吸と、脳から呼吸をする指令が来なくなってしまう中枢性無呼吸の2種類に分類されますが、圧倒的多数は閉塞性無呼吸です。閉塞の主な原因は肥満や加齢に伴う筋緊張低下による舌根沈下、慢性的な鼻づまりや扁桃腫大など耳鼻科的な疾患とされています。また小さな顎(西洋人に比べ日本人に多いですね)の人も舌根沈下が起こりやすいといわれています。この舌根沈下により気道の狭窄や閉塞がおこりますが、イビキはこれらのサインとなるわけです。

どうして「症候群」なの?

睡眠中に無呼吸を繰り返すことによって眠りの質が悪くなり、日中の眠気やだるさなどの症状を引き起こします。頻回の無呼吸による低酸素血症は全身の臓器、特に心臓に負担がかかり、高血圧、不整脈、狭心症、心筋梗塞などの重篤な合併症を来たす危険があります。また、糖尿病との関連も指摘されています。

どうやって診断するの?

まずは自宅で検査できる「簡易型アプノモニター」と呼ばれる簡単な装置で、呼吸の状態と血液中の酸素飽和度を測定します。この検査で1時間あたりの無呼吸回数を測定し、SASの診断とおおまかな重症度(軽症、中等症、重症)が判定されます。より詳細な情報を要する場合は、入院のうえ精密検査(PSG: ポリソムノグラフィー)を行います。呼吸状態や血中酸素飽和度に加えて脳波や筋電図なども測定します。

どうやって治療するの?

軽症では経過観察となります。中等症の場合、マウスピースを用いて舌根沈下を防止する治療を行い、重症になると持続陽圧呼吸療法(CPAP)を行うことが多くなります。CPAPはマスクを装着して持続的に空気圧をかけることによって上気道の閉塞を解除します。

SASは隣で寝ている人からのイビキや無呼吸の指摘で発見されることが多いのですが、自覚症状として「時間的には十分寝ているはずなのに日中の眠気が気になる」「夜間の中途覚醒が頻繁である」などあれば、まずは簡易検査のできるクリニックでのご相談をお勧めします。循環器疾患や糖尿病で治療中の方も併存症としてSASは多いので、一度検査してみてはいかがでしょう。




当法人では睡眠時無呼吸症候群の検査・治療を受診いただけます。


ご精読ありがとうございました!

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