肩こりと冷え
医療法人社団 こころとからだの元氣プラザ
婦人科医 永田 順子
(元氣プラザだより:2021年8月号更新)
いろいろある、肩こりの原因
肩こりといっても原因はさまざまです。
整形外科、内科、精神科、心療内科、眼科、歯科などの疾患が関与していることもあります。
たとえば、頚椎 (首の骨)の異常が肩こりの原因となることもあります。まれですが頑固な片方の肩こりが肺がんによるものだった、などという例もあります。
しかし、たいていは僧帽筋などの肩や背中、首の筋肉の緊張によるものがほとんどでしょう。
パソコンの作業で肩こり・冷えが起こるわけ
長時間のパソコンの作業で、首から肩、背中に分布する僧帽筋などの筋肉が緊張し、肩こりに悩まされる人がいます。肩だけでなく、首の後ろや背中にも痛みを感じることもあります。
僧帽筋は静脈に弁が少なく血液がうっ滞しやすい構造になっています。座ったままの姿勢でいると肩がこるだけでなく、下半身の血流が滞りやすく、冷えの原因にもなります。
1時間に10分程度は体を動かし簡単なストレッチをしましょう。背筋を伸ばし姿勢を正しく保つことも大切です。また適切な視力の調整も重要で、眼精疲労は単なる眼の疲れだけでなく、ドライアイ、肩こり、頭痛、自律神経の不調の原因になります。
筋肉をつけ、冷えには運動を
運動をして筋肉をつけることも重要です。
筋肉は血流を促すポンプです。
特に女性は筋肉が少ないので、足や腰が冷えやすくなります。体を動かすことで筋肉のポンプ作用により血流がよくなり体が温まりやすくなります。できれば週3回くらいウォーキングなどをしてみましょう。
運動は気分転換にもなり、ストレスから心と体を開放し自律神経も整います。
冷え症を予防する食事と服装
冷え症の人の食事は、生野菜のサラダよりは、温野菜のほうがいいですね。
にんじん、ごぼうなどの根菜は体を温めてくれます。ほかにしょうが、味噌なども温まります。
肉、魚などのたんぱく質も十分とるようにします。
服装にも気をつけておなかを冷やさないようひざ掛けを使い、首や肩にスカーフなどを巻くと効果的です。
冷えがひどい場合は漢方薬が有効な場合もあります。医師に相談してみましょう。
ご精読ありがとうございました!