健診結果活用術

監修:医療法人社団こころとからだの元氣プラザ
統括所長 及川孝光
( 元氣プラザだより:2017年4月号)

健診は、体の「今」を確認できる生活習慣の成績表であり「未来」を予測する手掛かりでもあります。
さあ、健診結果を見ながら生活を振り返り、健康管理の第一歩を踏み出しましょう。


相談者:Cさん

中堅企業の管理職で、今年から本社勤務になりました。昼間は会議や打ち合わせが続いて、社内から一歩も出ないことがほとんど。昼食は栄養満点の愛妻弁当です。休日は飼い犬と近所のドッグランに出かけて、日頃の運動不足を解消するため体を動かすことを心掛けています。健康には気を付けているつもりなのに、今回の健診でコレステロール値が異常値となり驚いているところ。

起床 7:00 なるべく朝食は食べるようにしているが、コーヒーだけのことも。
出勤 8:00 電車に揺られて、うとうと仮眠。
デスクワーク 10:00 移動はもっぱら社内でエレベーターのフロア移動のみ。
昼食 12:00 急いで愛妻弁当を食べる。午後の会議の準備のため、
仕事片手に慌ただしく済ませることが多い。
会議 13:00 午後は終日、会議や打ち合わせが続き、ほとんど座りっ放し。
夕食 19:00 接待・会食などで外食することも。
帰宅 23:00 接待などがあると、いつも終電に。
就寝 26:00 就寝直前までパソコンで明日の仕事の準備。
ついつい甘い物に手が出る。

食事は「週単位」、運動は「毎日少しずつ」で不足を解消

血中脂質の異常値を指摘されたCさん。忙しい毎日でも健康には気を付けていたつもりでしたが、人事異動で現場から管理職になり生活リズムが一変。仕事の接待や会食のため、 夜遅くまでの食事や飲酒が増えました。帰宅は連日深夜で、就寝時問も遅くなりがちに。その影響が少しずつ健診結果に表れだしました。血中脂質の異常値に加え、肝機能の数値もじわじわ悪化が始まっています。

脂質異常を改善するカギは、食事と運動を中心とした生活習慣の見直しです。Cさんの場合は夜遅い食事が大きな課題ですが、接待や会食は仕事の一部。断りたくても意志だけ でコントロールはできませんが可能なときは早めに切り上げましょう。

生活そのものを根本から変えることは難しくても、工夫できることはあるはずです。接待や会食がある日は不足しがちな野菜などを前後の日で補い、週単位で量と栄養のバランスをとることを心掛けて。お酒の席では完全に飲まないのは難しいですが、飲む前や問に水やお茶を飲めば飲酒量を減らせるだけでなく、アルコールの吸収が穏やかになり、二日酔い対策にも効果的です。

忙しくてスポーツジムに通う時間もないからと、平日は運動を諦めていたCさん。毎日少しずつ体を動かすだけでも効果があります。まずは毎日今より10分多く動き、通勤時や仕事中の行動をトレーニングに変えてみましょう。就寝前の軽いストレッチは、ストレス解消や質のよい睡眠にもつながります。脂質異常症の改善は、1口にしてならず。毎日継続することが何よりも大切です。

起床 6:00 夕食が外食の日は、朝食にたっぷりのおみそ汁を。
出勤 7:00 電車ではなるべく立つ。
駅までの道は歩幅を広く、さっそうと歩いて気分爽快。
デスクワーク 8:00 早めに出社。朝の静かな集中しやすい環境で仕事がはかどる。
午後の会議の準備も完了。
昼食 12:00 同僚や部下と会話を楽しみつつ、ゆっくり食べる。
仕事の話以外の雑談で、コミュニケーションが円滑に。
会議 13:00 社内のフロア移動はなるべく階段で。時間があれば遠回りも。
夕食 19:00 お酒の合間に水やお茶を飲み、飲酒量をコントロール。
できれば一次会までで早めに帰宅。
帰宅 22:00 仕事は家に持ち帰らずリラックス。
就寝 24:00 就寝前の軽いストレッチで、オンとオフを切り替え。
前よりぐっすりと眠れるように。

働き盛り世代は仕事上の付き合いでの飲食が多く、食生活が不規則になりがちです。暴飲暴食や運動不足は血液中の脂質だけでなく肝機能の数値にも影響します。今は自覚症状がなくてもじわじわと重症化する恐れがあります。仕事上でコントロールが難しいところもありますが、無理なくできることから改善を!

(社会保険出版社『秋のけんこう』2016年秋号より改編)

 

ご精読ありがとうございました!

 

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