リスクがないことが、本当の健康です

医療法人社団 こころとからだの元氣プラザ
統括所長 及川 孝光
( 元氣プラザだより:2016年6月号)

軽い異常も積み重なると危険

特定健診が画期的だったのは、軽い異常であっても、積み重なることで生活習慣病の大きなリスクになる点に注目したことにあります。

健診で求められるのは、将来的に病気の発症を予防できることですから、一つの検査項目値の高い・低いだけでなく、自分のライフスタイルに病気の危険が潜んでいないかを確認することが大事なのです。

病気が発症していない段階で、リスク判定による保健指導が行われることから、「余計なおせっかいだ」と抵抗を感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、少しでも病気の予防につなげるための機会として、有効に活用したいですね。

「異常なし」の範囲が変わったわけではない

さて、健診の基準については、日本人間ドック学会などによる研究結果が報道され、「健診の基準が変わり、"異常なし"の範囲が広がる」と大きな話題になりました。その結果、高血圧や脂質異常症の治療をやめても大丈夫と勘違いする患者さんが出てしまうなど、医療現場で混乱が生じています。

今回発表された研究で、診断基準が緩まったわけでは決してありません。報道された研究の結果は、2年間という短期間のもので、「自分が健康だと思っている人の測定結果」 を示したにすぎません。

病気の発症リスクを調べるには、さらに5~10年以上の長期間の追跡調査が必要で、"異常なし"の範囲が広がったと考えるのは拙速だといえます。

現在の基準は、過剰な治療を行うためのものではなく、将来の重大な病気を防ぐためのものであることを理解しておきましょう。

本当の健康は病気のリスクがないこと

確かに医療の世界では、「治療が表街道、予防は裏街道」という時代が長く続いてきました。 つまり、実際に病気になってからが医療の出番でした。

しかし、高齢化が進み、医療費が増大するこれからの社会では、病気の発症をいかにして予防するかが最も重要となります。

「薬を飲んでいないから健康」ではなく、本当の健康とは「将来の病気のリスクがないこと」です。
自分とご家族に病気のリスクがないかをもう一度、見直してみてください。

家族に特定健診を受けてもらおう

健康を守る最初の一歩は健診の受診です。今回の宿題は、家族に特定健診を受診してもらうこと。

「忙しい」「面倒くさい」「治療中だから」など、ついつい受けない理由を探してしまいがちですから、受けてもらうためのひと言を添えてください。

「病気で入院や通院にかかる時間に比べれば、健診はすぐに終わるよ」「治療中の病気以外の病気にならないようにするためにも、健診は必要だよ」

((株)社会保険研究所『さわやか』2014年秋号より改編 )

ご精読ありがとうございました!

 

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