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◆◆◆ アニサキス症って何?

魚介類を生食するのは、日本人の食文化の一つです。これからの季節は、忘年会や新年会で、お刺身などを食べる機会が増えることでしょう。また、ご自分で釣って来た新鮮な魚やイカを食べるのを楽しみにしている方もいらっしゃるかもしれません。
特に今年は、サバの豊漁が伝えられています。シメサバで晩酌を一杯!というのもいい季節ですが、そこには、「アニサキス」に出会うリスクも潜んでいます。周期的に、絞られるような激しい腹痛と嘔吐に襲われたら、寄生虫という原因も疑ってみることをおすすめします。
アニサキスは海産動物(クジラやイルカなど)に寄生する寄生虫であり、 ヒトのアニサキス症の原因となる寄生虫です。クジラやイルカなどから産卵された卵は糞便とともに海中に放出されます。すると卵はオキアミなどの甲殻類に補食され、そこで感染性を持つ幼虫にまで発育します。この後、この甲殻類は食物連鎖上位の魚類やイカなどに捕食され、その体内(筋肉や体腔内など)でさらに成長します。

内視鏡写真より。中央下、右寄りの
白っぽい線状のものがアニサキス。
胃に食いついています。
この中間宿主はアニサキスの種類ごとに異なりますが、寄生された魚類やイカが クジラやイルカに食べられると成虫になります。寄生虫被害の多くはこのアニサキスの 幼虫(体長は11mm〜37mm位)の経口摂取が原因です。
寄生部位(穿孔部位)別に胃アニサキス症、腸アニサキス症、腸管外アニサキス症に分けられます。アニサキスの多くは消化管壁を貫通できませんが、貫通した場合は穿孔性腹膜炎や寄生虫性肉芽腫を発症することもあります。
胃アニサキス症の症状は食後数時間(2時間から10時間後といわれています)で始まる激しい腹痛と嘔吐です。具体的には、夕食にアジ、サバ、イカなどの刺身を摂食した既往があり、その後の夜中の2時頃から急激に腹痛と嘔吐がみられるようになります。痛みはギューッと絞られるような痛みであり、間歇的に襲ってきます。
一方、吐瀉物は胃液だけで下痢などは一切認められないことが一般的な食中毒と異なる点です。これはアニサキスの虫体が寄生のために胃壁や腸壁を食い破ろうとするために生ずる症状であるとされています。

- 感染源を知る
アニサキスが潜んでいる可能性の高い魚は、サバ、イワシ、アジ、ホッケ、タラ、マグロ、ハマチ、カレイ、ヒラメ、サケ、マスなどが挙げられます。また、イカやスジコも感染源です。 - 熱処理
生食を避け、熱処理を行いましょう。アニサキスは60℃の熱で1分 以上過熱すると死んでしまいます。 - 食べる前によく観察する
魚の身に、渦巻き状の箇所を見つけたら、そこは取り除きましょう。そこにアニサキスがいる可能性があります。 - よく噛む
アニサキスは体がちぎれると死んでしまいます。ですので、よく噛 むことも予防につながります。
胃内寄生の場合、感染の初期段階での一般的な治療は、上部消化管内視鏡(いわゆる胃カメラ)を用いて、消化管粘膜上の虫体を確認し、生検の時に使うのと同じ鉗子を用いて虫体を摘んで取り除きます。虫体を取り除くと劇的に症状が消失します。
監修:こころとからだの元氣プラザ 消化器内科医 八巻悟郎

